家を買うより、投資を教える

2025-10-18

昔の親たちはこう言っていた。「20代のうちに家を買え。」

バンクーバーでは、 それは今やほぼ不可能 。 ここでは家は高いだけじゃなくて、若い世代の多くにとって完全に手が届かない。

本来、持ち家には意味がある。雨風をしのぐ場所であり、多くの人にとっては堅実な投資でもある。

でも今は住宅価格が暴走している。別の見方をすれば、大量のマネー供給でお金そのものの価値が下がったということ。

じゃあ、価値が目減りしていくお金をどうする? 緊急用の貯金は必要。その上で資産に投資する。住宅が無理なら、次善策は市場だ。

こうした考え方は確実に広がっている気がする。SNSとスマホ経由で、金融ニュースや知識、そしてインフルエンサーのノイズが洪水のように流れ込んでくるから。

ただ、若い子ども向けにもっとシンプルで常識的な投資の教え方が必要だと思う。そこに教育システムが入ってほしい。

カナダの子どもたちは、複利、TFSA(免税口座)、低コストのインデックスファンド(上場投資信託=ETF)を当たり前に学んで育つべき。金融は小学校から教えるべきだ。

家庭でも習慣を作って、18歳になる頃には投資がスマホ代を払うのと同じくらい普通になっていてほしい。

アルゴリズムと強欲な企業に金融教育を任せたままにしない。さもないと、次の世代はただの“退場前提の人たち”になってしまう。